出会いと別れの季節
優馬
自転車を降りてそのまま2人で校舎へ向かって歩いていると
すれ違いざまに担任の山居が、微笑を浮かべながら言った。
「早いなぁ、もうそんな関係か。」
「「はぁ!?」」
私達は、声をそろえて叫んだ。
そのときのユウマの行動は驚くほどわかりやすいものだった。
目は宙を泳ぎ、急に早口になり、何度も私の顔をみては
「な!?な!?」と同意を求め、こんがり焼けた首筋には
冷や汗が光っている。
その光景が可笑しくて私は、思わずぷっと噴きだした。
「なっ、なに笑ってんねん!!」
「いや~、もういいんとちがう?な、先生も納得したでしょ?」
山居は、かけていたメガネをくいっと一指しゆびであげると
無言で去っていった。
ユウマは、深くため息をついていた。
そして、私のほうをみてにこっと笑顔をみせた。
「あいつ、いきなり何てことゆーねんなぁ!?
まじ焦るわ・・・」