あい、君。
翼という人
ようやくカラオケにつき、大部屋に通された僕達は荷物を置き思い思いの場所に座った。
篠瀬さんは指田さんと僕の間に座っている。
そして僕の隣に翼がいた。
「さー、それでは…。1年E組の皆様、もとい茉智ちゃん。
これからの1年、仲良くしていきましょー!!
ってことで、俺から歌いまーす!」
翼は片手にマイクをもち音頭をとる。
こういう人間がいるだけでここまで盛り上がるんだな。
すごい…。
翼が歌いだすと、みんな合いの手をいれながら聞いていた。
翼が歌い終わると、
「なんだよ、誰もいれねーの?
じゃあ右回りでとりあえず一周な!
はい、奏斗!」
リモコンを渡されてしまった。
…まぁこーゆーときは、ランキングの上にある当たりさわりない歌を歌うべきだろう。
リモコンと一緒に渡されたマイクを握りしめ、入れた曲を歌った。
僕が歌い終わると、
「やべーーー!うめー!なんだよお前、そんな特技もってたのかよ!」
そんな気はなかったんだけど…
「僕音楽やってるから、それで少し音程とれるんだと思う。」
少し照れながら言うと指田さんが、
「え、でもすごかったよ!ね、茉智!」
「まぁまぁ…かな」
目をそらしながら篠瀬さんがいう。
「ありがとう。はい、次は篠瀬さんだよ。」
リモコンとマイクを渡す。