あい、君。



話を聞いて、1つ嫌なことが頭に浮かんだ。





…………自転車は?








「…ってそうだよなーーーー!!

……ペッシャンコじゃんっっ!」



振り向けば車に当たったであろう、その自転車は見る影もなかった。

これが俺の末路だったと思うとこわい…。



「しょうがないじゃない。

あんたを助けることはできても、自転車まで止められるほど私力ないわよ。」



「いや…、助けてくれてありがとう。」




自転車はショックだけど、命あっての物種だよな。


とりあえず自転車は横に避けておこう。





「あれ、そういえば入学式って言ってたよね。

谷内田?」


「そうだけど…。あんたも?」


「うん!同級生みたいだね!

よろしく!」


僕が手を出すと、女の子もおずおずと手を出して握ってきた。


少し顔が赤いのは気のせいか…。



照れ屋なんだろうな、きっと。







< 5 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop