あい、君。

茉智という人

早歩きで歩いた結果、入学式早々に遅刻ということは免れた。



ただしその間、僕と彼女が喋ることはなかった。






校門を通ると、先生と思われるおじさんが紙を配っていた。


僕も、僕の前を歩いていた彼女も紙をもらい、少し離れたところで歩みをやめ紙を見る。




その紙はクラス分けが書いてあった。



僕は、クラス分けは掲示板なんかで発表するものだと思っていたから拍子抜けだった。







えと…、僕は…１年Ｅ組か。





「ねぇ、あんたは何組？」


僕より少し離れていたところでクラス分けをみていた彼女は両手に紙をもって僕のところへきた。



「Ｅだよ。」


「…そう。」


少し悲しそうに目を伏せた。



「なに？何組だったの？」


「Ｆよ。隣のクラスね。」



キッと僕をみる。



あれ？さっき悲しそうな顔をしてたのは気のせいなのかな？



「じゃあ早くいこっか。僕達最後の方みたいだし。」



「え、あっ…そうね。」





先程とは違い、僕のほうが彼女より先に歩くことになった。


というより、学校に来るまでより明らかにスピードダウンしている。