君は俺のもの
「もう何年も前のこの日、この公園で
俺は一人の女に告られた。
俺はいつもとおなじようにふった
そしたらその女はヒステリックに叫んで
死んでやるって俺に向かって言った
そして 女はナイフを取り出した
俺は落ち着けって言って女に近づいた
そのとき油断したんだ
俺は刺されそうになった
でも痛くなかった
目をあけると刺さっていたのは
俺の姉貴だったんだ
目の前に広がる真っ赤な血と叫び声
成績優秀でみんなの宝物だった姉貴
そんな姉貴はこんな俺をかばって刺された
そりゃ周りはショックだろーな
みんな、俺を責め立てた
俺だって死にたかったよ
そんなの俺が願ったことじゃないのに
俺だって嫌だった、苦しかった
だれかに助けて欲しかった
大丈夫だって、おまえは悪くないって
言って欲しかったのに
俺はいまでも殺人鬼なんだよ
だから女は嫌いだ
本当の愛ってなんだよ
俺のために死んだ姉貴もヒステリックなばか女も急に目の色かえる学校の奴らも俺を失敗作に扱う親も。
全部全部嘘ものなんだよ」