君は俺のもの




用意を終えたわたしはいつもの場所へ走る―





「かーいとっ! おはよ!」




いつもの笑顔で思いっきり挨拶をする



すると




「ん、おはよ」




いつもは返さない挨拶を返してくれる海斗


顔が思わずニヤけるのを必死に抑える






「わっ!挨拶返してくれるなんて珍しいね! 」




その声に ムッとした顔をする海斗




「んなことねぇよ」




そういって歩き出してしまう





「あはは(笑)

本当に自分のことわかってないよね、海斗って」




「んなことねぇ」






ちいさく突き出たくちびる

そんな表情一つ一つが愛しくて今朝の歯ブラシを思い出す




「ありがと、歯ブラシ」



そうちいさくつぶやき、海斗を追いかけた――













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