君は俺のもの



それからも芹那ちゃんは無言で

ただ俺の肩にもたれかかってる



芹那ちゃんから香るのは 海斗の香水―

よく聞く シャンプーの香りじゃなくて 。




俺は その髪をふわっと触る


匂いを消したい・・・その一心で。



「わっ、どうしたの?」



目をまん丸にする芹那ちゃんが

たまらなく可愛い



「髪の毛きれいだなーって」



「え// ほんと?// ありがと」



柔らかい笑顔が俺を見つめてる

だから俺も笑い返す





そしたら すこし赤くなる君の頬―

もしかして・・・なんて期待してしまう




「あそこの店、寄っていこーか」


まだ帰りたくなさそうな芹那ちゃんを連れて

さっき明かりがついたばかりの店を目指す




< 84 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop