君は俺のもの
「そっか」
そういった翔くんは 私の手をつよく握ってくれる
でもその顔は どこか切なそうなそう
そして
「ごめん、おれ。本当は言いたくなかった
でもいまの芹那ちゃんを見てたら伝えたいと思った
俺の好きな人は芹那。 芹那が好きだ 」
―バナナの壁紙が翔くんを通して見える
真剣な翔くんとふざけたバナナ
そんな反比例な姿が涙でにじんでうまく見えない
そんなわたしを さっきよりも
何倍も何十倍もやさしく抱きしめてくれる翔くん
「おれ、諦めないから。ずっと諦めないから」
耳元で聞こえる 切なそうな声
―もし翔くんを好きになれたら
心から愛せたら・・・
こんなにも辛くないのにね。。
どうしてわたしたちは
不器用な恋しかできないんだろ――