ひまわりの約束
ーー…プシュー
ドアは勢いよく開き
吸い込まれるように
電車へ乗り込んで行く。
「…わっ。」
サラリーマンの波にのまれて
躓きそうになった。
「…ったく。」
そうボソッとつぶやいて
あたしの手を静かに握った日向。
…えっ?
今しっかり手を繋いで…
そんなこと思ってる隙に
電車のドア付近に
乗り込んだ。
「…日向。」
見上げて日向の顔を見るけど
むすっとしたまま
窓から見える景色を見ている
その間もあたしの右手は
日向の左手でしっかりと包まれていて…
…なんだろ。
このドキドキ感。
「…手。」
あたしは思わずつぶやいたけど
日向は顔をそらしたまま
「…はぐれんように。」
そっとつぶやいた。
「あっ…ありがと。日向。」
…っ!
ドキドキ感が止まらんっ!
チラッとまた日向を見るが
相変わらず景色を見ている
けど
うっすらと
頬っぺたが赤いように見える
「…んだよ。」
「…っ!!…ごめん。」
あたしはとっさに下を向いた。
その視線の先には
しっかりと握られた手
温もりを感じる
…日向と少しだけ
距離が近づいたかな?
そう思うだけで
嬉しいんだ。
あたしのドキドキの時間は
学校の最寄り駅まで続いた。