ひまわりの約束
〜日向side〜
「…はぁ。急に近づきすぎだわ。」
俺は頭をかきながら
体育館に入った。
中では競技の最中で
タイミングよく
こっちには気が向いてない。
その隙にと赤組エリアに戻った。
「…葵ちゃんと、どこ行ってたん?」
俺に近づいてきた1人の女
「…っ!?…さくら。」
「お久しぶり。日向。」
そこには
紛れもなくさくらの姿。
さくらは笑顔を俺に見せてきた。
「…なんで。お前ここに居んだよ。留年したんじゃねぇのかよ。」
「うん。留年したよ。だから今2年だし。」
「…っ。」
「で。…葵ちゃんと。どこ行ってたん?」
…ったく。またその話か。
「…手洗い場だよ。手洗いに。」
「…ふぅん。
…ねぇ。あたし。
まだ諦めてないけん。
日向のこと。」
…!!!
さくらは中3の時
付き合ってた元カノ。
諦めてないって…
ってかなんで葵のことを知ってんだ…?
「…っわりぃが。それは」
「…葵ちゃんよりも
あたしの方が
たくさん日向を知ってるんやけん。」
「…っ」
「…まぁ。とりあえず、スポーツ大会。頑張ろうね!」
また笑顔を見せるさくらは
そのまま後ろに下がっていった。