ひまわりの約束




…誰なん?


…日向の隣で喋ってた女の子。



…ニコニコ笑って喋ってた女の子


…誰なん?




仲良さそうに
喋ってた。



…日向と女の子は
どんな関係なん?




「…はぁ。」


あたしはとっさに
体育館の扉を閉めて
しゃがみこんだ。



なんでここまでショックなんよ…


ただの友達かもしれんのに…




あたしは意を決して
体育館の扉を開けると
日向に軽く話して
凪紗のところに駆け寄った。



「あぁ。おかえりー。手は大丈夫?」

「うん。日向にカットバンもらったから。大丈夫。」



「先生にも話はしてあるから、気にしないでね?」


「ありがとー!凪紗!」


「まぁ気づかない先生も先生だからね。」


日向だけだったもん。
駆け寄ってくれたのは….


…でもそんな日向は



「…」

「どうかした?」


「日向。女の子と…仲良さそうに…」


「…はぁ?日向くんが?あのむすっとしてる?」


あたしは静かにうなづいた。

確かに見たもん。

日向が…仲良さそうに喋ってる姿



「…葵はさ、日向くんと”仲良く”なりたいって言うけど、それは、、好きだからだよね?」


「…っ!!」


「…日向くんに起こった過去を聞いてみる時にきてるんやない?」


「…えっ?」


「…葵が知らない空白の5年半。

仲良くなりたいんだったら
そこを知らない限り
前には進めないよ。

葵がこの5年半で変わったように
多分日向くんにも何か
変わるきっかけがあって
今の無表情になったんだと思うよ?


…だって、笑った顔、無邪気な少年のままだったから。」


「…空白の5年半。」


「スポーツ大会が終わってから
聞いてみたらいいよ。まぁ、聞きづらいかもしれないけど。」


「…わかった。話をしてみる。」


凪紗の笑顔に
あたしも笑顔を見せると
競技エリアを見つめた。


…ねぇ。

教えてよ。


あの女の子との関係


そして



日向に起こった


空白の5年半を…













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