ひまわりの約束
「日向は高1の末に入院したでしょ?
煌月から聞いたけどさ。
ちょうどその頃
あたしは1度目の留年の危機だった。
もともとクラスに馴染めなくて
引きこもりがちだったし
日向が病気になったことを知って
ショックだったし
まぁ。いろいろ重なったんよ。」
「…」
「…もしかしたら日向が
死んじゃうんじゃないかって思って。
不安だった。
煌月に病院教えてって頼んだけど
頑なに教えてくれなかった。
だからあたしは
少しでも良くなるように
祈ってた。
ずーっと。
まぁなんだかんだで
1度目の留年は免れたけど
2年のクラスにも馴染めなかった。
学校ではヒドイいじめ
家庭は
引きこもりがちな
あたしのことが原因で
親は離婚。
お母さんは精神的におかしくなっちゃって、去年の秋に自殺したし。
今はおばあちゃんの家から通ってる。
だからこの電車使ってんの。」
「…さくら。」
俺はさくらの口から発せられる
衝撃発言に
ショックがデカイ。
さくらがイジメに合った!?
引きこもりがちになって
家庭崩壊で両親が離婚!?
あんな優しかったおばさんが
自殺…なんて。
…だからか。
この電車使ってんのは
あの頃は地下鉄だった。
一緒に帰ったこともあった。
不思議だった。
電車で帰ってるさくらを見かけた時
違和感を感じたから。