ひまわりの約束
「夏前には留年が決定して
あたしは商業を辞めたんだ。
このまま居ても
時間だけが過ぎちゃいそうだったし
簿記とか
したかったわけじゃなかったから。
ただ日向のそばに居たかった。
日向と同じ高校には成績的に行けない
なら近くの高校に…
…まぁそれが仇になったんだけどね。
そしてこの高校に4月から
入ることにしてた。
去年暮れに
退院したことを煌月から聞いて
4月から引っ越す話も聞いてた。
入学式で日向の名前や煌月の名前が読み上げられたけど
信じられなくて…
後日
地下鉄で見かけた時
日向も同じ学校の制服着てたから。
衝撃的だった。」
「…」
「もちろん偶然よ?
…信じてくれないかもしんないけど。
また日向と近くにいられるって
勝手に思っちゃった。」
「…さくらも、大変やったんやね。」
多分俺の家庭よりも酷い。
でもそれは
さくらだけが悪いんじゃない。
なんで周りも助けてやんねぇんだ。
みんなイジメに加担しやがって。
ふつふつと湧き上がる苛立ち。
これを俺は必死に抑えた。