ひまわりの約束
「うん。…日向のお家は?」
「…んまぁ一応、落ち着いてはいる。」
「病気は?」
「薬で治療中。
落ち着いてきてはいるけど
この前のスポーツ大会は
念のため1種目のみにした。」
「あっだから、あん時玉入れだけに出たんだ。」
「まぁな。」
「…」
「…さくら?」
「正直、さみしいよ。苦しい。
実の両親がいない。
おばあちゃん居ても
気遣っちゃうし
お金考えたら進学も無理。
お先真っ暗だよ。
…なんでこんなことに。」
「…諦めんなよ。さくら。
まだ可能性ならいくらでもあんだろ?
この学校ならバイトもできる。
あと1年あんだから
挽回くらいいくらでもできる
だから諦めんなよ。」
「じゃあ。付き合って。」
「はぁ?」
その急な展開に
俺は間抜けな声を発してしまった。
「あたしは日向のこと
諦めてないから。
支えて欲しいし
支えてあげたいの。
葵ちゃんより絶対!」
「…ったく。付き合うのは無しだ。
でも、、、友達だから。」
「…わかった。…でも絶対に
日向を振り向かせるから!!」
「…」
「…んじゃあ。あたしここで降りるから。また学校で」
そう言うと
さくらは足早に電車を降りて行った。