ひまわりの約束




日向の過去の恋を知って

2日後


あたしは会いたくない人と
出くわしてしまった。





「須藤…葵…さん?」


職員室を通り過ぎて
エントランスを通り過ぎようとした時


後ろから甲高い声で
呼び止められた。



「あっはい。そう…ですけど…っ!」

振り返ったその視線の先に居たのは


ロングの茶髪で
毛先をコテで巻いた

身長が高めの女の子。


…っあの人だ。


…さくら


…道重さくら…さん。




「はじめまして。」

「あっ…どうも。」

あたしよりも身長が高い割に
ヒール履いてるから
見下されてるようで…



…怖い。



「あたし、道重さくらって言います。

今日はあなたに伝えたいことがあって」


「伝えたいこと?」


「そう。


…単刀直入に伝えるね。


あたしは日向の元カノ。

でも諦めてないから

日向のことは

今でも大好き。


あなたが知らない日向を
あたしは間近で見てきた。


あなたよりも
あたしが
日向にはふさわしい女だと
思ってるから。


…覚悟ないなら
日向に近づかないで。


それじゃ…」



早口でそうあたしに告げると
足早にエレベーターに乗って
その場を去って行った。



「…っ。なんだったの?あれ。」


でも目を見たら
本気だって伝わってきた。


目ヂカラ半端なかったし



…なぜか悔しい。


日向の過去を知らないこと
間近で見れなかったこと


…悔しすぎるよ。





あたしは涙を堪えて
エレベーターに乗り込んだ。



クラスに入れば
日向がいる


近づかないとか

絶対にムリだから!!!



あたしだって


日向のこと


大好きなんだよ?



…日向。

あたしはどうしたらいいのかな…







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