ひまわりの約束




「…日向とあたしは実の姉弟。

でも日向が生まれてすぐ
両親が離婚して

私はパパと
日向はママとに分かれたの。

もちろん
日向に私やパパの記憶はないのよ。

だから日向は
一人っ子として育ったみたい。

ママの再婚相手を父親だと思ってね。」


「じゃあ日向と花凛さんは…」


「まぁ別々に生活してきたし
会うこともないと思ってた。

私は弟が居ることを知ってても
彼は姉がいるなんて知らない

父親が違うことだって知らなかったはずだから。」


「…そんな過去が」

「でも今から6年前か。

ママと再婚相手は離婚したらしいの。

で新しい生活をするため
日向に私や実の父親の存在を知らせるために

パパが住んでた街にやって来たみたい。


私はその時すでに入籍してたから
日向は姉だと受け入れるまで時間かかったけど

今じゃ仲良しよ。」


「じゃあ、やっぱりあの日も…」


「あの日?」

「日向に彼女が居るって噂が流れて…」

「あれは本当に申し訳なかった…

私も軽率だったって
反省したよ。」


「日向に彼女って。」


「私は葵ちゃんだと思ってたけど
その様子じゃまだみたいね。」


「…」


「日向は、心を閉ざしてしまってると。

姪っ子甥っ子と遊ぶ時は笑顔だけど、

それ以外じゃ
暗そうにしてる。

私にも
作り笑顔だから。


…どうにか解放してあげたいんだけどね。」



花凛さんは願うように
外を眺めていた。



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