ひまわりの約束










「日向っ?」


「おぅ。飯食ってた。」


「ご飯って。カップラーメン。」


「お湯入れるだけやし、俺好き嫌いひどいし。」



「あぁ。確かにあの頃から好き嫌いは激しかったよね。」


…野菜大嫌い
…牛乳無理
…納豆ダメ


給食なんか
ほとんど食べてなかったような…


かなりの偏食だったよね。


あたしの方が好き嫌い無かったし。



「でもあれから少しは克服したんやけんな?
野菜もある程度食べるし
牛乳も飲めるようになったし」


「成長したやん。克服したとか。」



あたしはにっこり笑顔を見せると
日向の隣に座った。



でもその時見つけたもの

錠剤

5つはある。




この時
日向は病魔と戦ってることを
改めて実感した。




「あぁ。気にすんな。

病気はこの薬で
落ち着いてるから。」


「…でも。」


「大丈夫だから。あんま心配すんな。」


そう言って
頭をポンポンと優しく撫でた日向。


「…うん。」



その行動に少しだけ
ドキッとしちゃったんだ…





ピーンポーン


インターフォンが鳴り響く




「あっ来たみたい。」



「だな。…俺が開けて来るから
お前は部屋戻ってろ。」




「わかった。先に行っとくね?」



日向は食べたカップラーメンの処理を済ませると足早にリビングを出て行った。






…病気


大丈夫だって言ってるけど
本当はそんなんじゃないよね?




「…わかんないよ。本当のこと。


日向は今どんな気持ちで
どんな状態なんかな。」






あたしはそんな
不安な気持ちを封じ込めて
日向の部屋に向かった。



< 175 / 233 >

この作品をシェア

pagetop