ひまわりの約束
「…あの。日向は…」
「…あたしもね?朝パパから聞いて
めっちゃ焦ったんやけど
今は応急処置をしてもらってるから
落ち着いてる。」
「…よかった。」
「…葵ちゃんのおかげでね?
日向は変わったんよ?
治療にも意欲的になったし
葵ちゃんの笑顔と幸せのために
俺は生きたいって
手術を受けることを2日前に決めたの。
その日も主治医から
安定してなくて
いつどうなるかわからない
っては言われてたけど
まさかね…」
…日向がそんな風に思ってたなんて
体調も良くなかったのかな…
「日向が手術をする日は…」
「今日は主治医が居ないらしいから
わからないけど、もう年末年始の休みで
手術体制が整わないかもだし
日向の様子次第で年明けになるかもね。」
「…そうですか。」
「…またわかったら連絡するね?」
「ありがとうございます!
よろしくお願いします!」
あたしは花凛さんに深々とお辞儀をした。
「日向はいい彼女を作ったね。」
「えっ!?あたしは彼女じゃないですよー。」
「…もうそんな関係よ。
まだ完全に心を開ききったわけやないやろうし
少なからずママを失った悲しみを
引きずってるはずだから
葵ちゃん。支えてあげてね。」
「…花凛さん。…はいっ!!
日向には笑顔になってもらいたいので!」
「個室戻ろっか。
日向待っとろうしね。」
あたしは立ち上がると
日向のいる病室に向かった。
…緊張する
…ドキドキが止まらない。
こんなこと初めてだから
「…大丈夫?」
「…っはい。大丈夫です。」
あたしはドアに手をかけると
ゆっくりとドアを開けた。