ひまわりの約束
〜日向side〜
俺は葵たちを見送ると
深々と深呼吸をした。
「…緊張してる?」
「いやそりゃそうですよ。
入院や検査は慣れてても
手術は緊張しますよ。」
「健闘を祈るわ。
あっ。そういえば昨日書いてたお手紙。
彼女に渡した?」
「…っ!!バレてました?」
「当たり前やないの。
あんなバタバタ片付けたら
バレバレに決まってんじゃない。」
「…渡しましたよ。さっき。しっかりと。」
「あれだけ必死に書いてたからね。
好きな気持ちはわかったから。」
「恥ずかしいじゃないですか。」
「少しは緊張ほぐれたかな?」
「…おかげさまで。」
その瞬間
ドアの向こうから
主治医の先生が入ってきた。
「日向くん。調子は?」
「あっ。まぁまぁ。普通かと。」
「そうか。気分は悪そうじゃないし
大丈夫そうやね。
今日の手術は
日向くんにとって
人生最大の難関だと思う。
でも大丈夫。
日向くんにはたくさんの仲間や家族がいらっしゃるから。
その応援は日向くんにも届くはずだから。
1人じゃないことを胸に臨んでください。
緊張もほぐれると思うよ?」
「はい。ありがとうございます。俺は大丈夫です。」
「それじゃあ後ほど手術室で。」
笑顔で病室を後にした主治医。
…大丈夫。
正直不安は拭えねぇけど
決めたこと
決まったこと
やるしかねぇ
「…それじゃあ、手術室まで行こうか。」
「はい。」
俺は看護師さんに連れられて
手術室へ向かった。