ひまわりの約束
引っ越してからの5年半
さくらとの関係もありつつ
俺はずーっと彼女を想い続けた。
さくらと付き合うことで
忘れようとしたけど
やっぱ無理やった。
だって彼女がいいんやもん。
彼女を想い続けているから。
そんな時に
転校先で初恋相手に再会した。
でもね。
”いつか”が”現実”になって
成長した彼女を見て
急に彼女を守れる自信も
告白する勇気も出なくなったんだ。
俺が変わったように
彼女も変わってる
俺に起こった様々なことが
縛りついて
俺は身動きが
取れなかったのかもしれないな。
だから自分の中で
病気のせいにして
人を信じらんないと決めつけ
裏切られる恐怖に怯えて
彼女を遠ざけて
彼女を酷く
傷つけてしまった。
いや。彼女だけじゃない
クラスメイト全員に対してもだ。
仲良くなろうとする一歩を拒否して
1人を選んだ。
でもそれでクラスに溶け込めてなかったのは事実なんよね。
あの日彼女に真剣な眼差しで
素直な思いをぶつけられて
俺は初めて知ったんだ。
そして改めて気づいた。
だから俺は手術という
闘いに挑む決意をした。
彼女の笑顔を守るため
14年の片思いに
終止符を打つためにも
クラス全員
笑顔で卒業するためにな。
なぁ。葵。
俺は葵から言われて
思ったことあんだ。
…やっぱりなんだかんだ
お前が大好きなんだって。
すんごい回り道したような気がするけど
お前の笑顔のために生きたい。
そう思うようになった。
目をそらしてるつもりだったけど
心の奥底では
ずっと葵を見つめてきたんだと思う。
ひまわりのように
俺の太陽である葵を
ずーっと…
俺にとって葵は
希望の光なんだよ。
やっと気づいた。
葵の幸せが俺の幸せだってこと。
葵の笑顔が
俺の元気の源だから
葵の初恋相手が
俺だったらいいなって
変な妄想してるけどな。
違ったらちょーはずいー。