ひまわりの約束



…日向…




本当は
近くで
見て欲しかったよ?



おめでとうって
言って欲しかった。


一緒に花束と卒業証書持って
写真撮りたかった…



けど…







「だってさぁ。校長賞だよ?

成績も学年トップ。

生活態度もトップなんて。」





あたしの肩をツンツンと押してくる
真奈




「あたしは…ただがむしゃらに頑張っただけやから。




それにみんながいたから取れたこと。



あたしだけの賞やないって。」






先々週に聞いたんよね。




校長賞だって



校長賞は
全国各キャンパスから
1名ずつに贈られる

いわば
最優秀卒業生
ってこと




まさか選ばれるなんて
思ってなかったんやけど





ほんと
みんなが居なかったら
ここまで勉強も頑張らなかっただろうし
行事も参加しなかっただろうし





3年間があっという間で
楽しかったなんて

思えなかったはずやから…








「葵…。あたしもだよ。

なんだかんだ

この3年間濃かったしね。」




「思い出たくさんあるしね?

卒アルに入りきれんくらい。」




「ふふっ。葵ー。希衣ちゃん。凪紗。みんな大好き!宝物やけん!」





ぎゅーっと抱きついてきた真奈を
あたしは
優しく抱き返した。




「あたしも。みんな大切な人。大好きやけんね?…それに…」





「ん?」



「赤崎くん、湖南くん。そして日向もあたしたち仲間の大切な1人なんやけ。」




そう。

この1年をより濃いものにしてくれた
かけがえのない仲間




「葵…」




凪紗の声が響く





「うん。…日向は




見てくれてるはずやけん。」







あたしは信じてるよ?







「葵、希衣ちゃんー!

真奈ちゃん、凪紗ー!



中入ろうぜ。最終リハだってよー。」





「はぁい。今行くー!」






スーツをビシッときこなした
煌月に呼ばれて
あたしたちは受付を済ませると
ホールの中に入って行った。





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