ひまわりの約束
「葵ー。」
ん?誰かあたしを呼んだ?
その声はどこか懐かしい…
聞きごこちのいい声
それは
あたしが
生涯愛すると決めた人の声に
そっくりだった。
「あっ!パパー!!」
日向葵と太陽は
満面の笑みで
ベンチから飛び降りると
日向の方に向かって
歩き始めた。
「おー。日向葵、太陽。いい子してたか?」
あの頃よりも
しっくりくる
スーツ姿の日向は
2人と目線を合わせるように
しゃがみこむと
抱きしめていた。
「日向…急にどうしたん?仕事は?」
「ん?今日は2人の3歳の誕生日やろ?
それに………もう一つ大切な…
俺たちの4回目の結婚記念日…」
「…っうそぉ。」
祝いに来てくれたの?
あたしの涙はすぐそこまで
こみ上げてきた。
4年前の今日
あたしたちは
入籍したんだ。
式は結局挙げず終いだったけど
「日向葵、太陽?
お家にプレゼントあるよ?」
「「ほんとぉっ!!」」
2人はありがとうと言わんばかりに
日向に抱きついた。