ひまわりの約束




「っちょっ。葵っ?だいじっ」






「…っグスッ…日向の…バカっ…」






あたしはその場を離れて
舞台裏の控え室に走る。




全力で



まるで
日向から
逃げるように




涙が乾くように
走った。





ガタンっー




あたしは勢いよくドアを開ける






「あお….い!?どしたの!?」





控え室のテーブルにいた
希衣ちゃんがあたしに気づいて
駆け寄ってきてくれた。





「…っグスッ…っんっ…」





「もーっ。式出なきゃなんにー。」





ほら。座ってと
促されるまま
パイプ椅子に座った。




「…っんっグスッ…」




涙は止まることを知らない
ずっと流れてくる




はぁ…拭いても拭いても
溢れてく…




「どうしたの?」




あたしは希衣ちゃんに
全てを話した
さっきあったこと





「…そっかぁ……」




「…っグスッ…うんっ…」




「忘れられたら

楽なんやろうけどね…

簡単やないし…」




「…はぁ…。っグスッ…」




「でも。大丈夫!


あたしも、凪紗も、真奈も


葵の味方やし。


ずっと一緒やん?



一人やないけん。ねっ?」






その言葉は
あたしの心にできた傷を
少しだけ癒す
助けとなった気がした。










あたしには
大切な仲間がいるんだから。











「…っありがっ…とぉっグスッ…」





「もぅ。泣かんのっ。


ほら。出番あるんやけ。


メイク、なおしぃ?」




ふと時計を見ると
あと10分で出番予定時刻




「げっ…やっばぁいー。」




あたしは慌てて
メイクなおしを始めた。





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