ひまわりの約束
「歓迎の挨拶。
在校生を代表いたしまして。
本校生徒会長。須藤葵より
歓迎の言葉を
述べさせていただきます。」
2分前にメイク直しが終わって
ギリギリ舞台袖についた
あたしはそのアナウンスで
壇上に上がる。
大丈夫。
リハ通り
そのまま
読めばいいんやけ。
キャンパス長や来賓、新入生に礼をするとあたしはゆっくり読み始めた。
「85名の新入生、転編入生の皆様。
この度はご入学
おめでとうございます。…」
あたしは順調に読み進めて行く
紙をもつ手や足が
緊張で小刻みに
震えてるけど
「…以上を持ちまして
歓迎の挨拶とさせていただきます。
平成○×年4月11日
生徒会長。須藤葵。」
新入生に一礼した後
ふと後ろの方に座る
日向と目が合う。
「…」
ムッと無表情なのは変わらない
…変わっちゃったんだね…
あたしは
涙がこみ上げないうちに
来賓やキャンパス長に礼をして
ステージを後にした。