ひまわりの約束





キーンコーンカーンコーン





「はい。午前は終了!!みんな昼休み入ってー。」



チャイムの音と重なるように
先生の声が聞こえる





数学の授業が終わって
あたしは急いで
教科書とレポートを
引き出しにしまうと



朝買っていた
コンビニの袋片手に
日向の顔を覗くように
見つめた。




「ねぇ、日向。ご飯一緒食べない?」






「…」





無言を貫く日向をよそに
あたしは日向の真ん前に陣取って

コンビニで買ったパンを開けて
かぶりついた。




「…」



日向はそんなあたしを
空気みたいに扱って


同じようにコンビニで買ってきた
と思われる
チョコクロワッサンと

ミルクチョコを取り出して
こっちを見ることなく
静かに食べ始めた。






周りはぎゃーぎゃー騒がしいのに
ここだけ異常に静か。



でも

無理やりでも


一緒に食べる時間は
あたしにとって
あの頃を思い出す時間だから

なんだかんだ
嬉しいんだ。



また日向とご飯食べれる








ただ…それだけで








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