ひまわりの約束
「…おいしいねっ。ご飯。」
「…」
でも肝心な日向は
なにをこっちが喋っても
嫌そうな顔
冷たい目
しかも視線すら合わせてくれないんだ。
悲しいけど…
5年半の時間を埋めるには
これしかないんだから。
「ねぇ。そのチョコ1個ちょーだい?」
日向の目の前に広げられた
1口チョコ
あたしは何気無く
欲しいとおねだりしてみた。
あの頃だったら
笑顔でくれたよね?
あたしに
『はい。どーぞっ。』
って。
「…っチッ。やるよほら。」
舌打ちしてチョコを
あたしの前に置くと
急に席を立って
教室を出て行ってしまった…
「…」
あたしはそのチョコを口に入れて
自分の席に静かに座った。
甘いはずのミルクチョコ
でもほろ苦く感じたんだ…
「…っ」
虚しくて悲しくて
涙が出そうになるけど
あたしはぐっと食いしばった
だって…