ひまわりの約束



「あっ葵ちゃん、試合出てんじゃん。」


ネット挟んだ向こう側の試合
あっちも2年対3年でやってんだっけ



「おっ葵ちゃん。ボール持ったやんっ!イケイケー!!」


「おい。海人。女子のもやけど、こっちも応援しろや。」


「いや。だってよ…?

ってあっ!

葵ちゃんシュート決めた!!」



俺は海人の声で
無意識に
あいつを見つめていた。


いぇーい!とハイタッチで
他の女子と
喜びを分かち合っているあいつ



「おーい。日向?」




「…っんあ?」




俺の目の前を行ったり来たりする手


それで我に返った。


「…ったく。お前も見惚れてんじゃねぇかよ。」




「…っ!?」




「…いや、、あっ俺は、別にあいつを見てたわけじゃ…ねぇから。」


苦し紛れに全力で否定した。


頑張ってる姿と喜ぶ姿は
見てたけど


「ふーん。あっそうこうしてるうちに、こっちはもう3点入ってんじゃん。」




「…ふぅ。」

海人はこっちの試合にも
見入ったみたいで
メガホンでみんなにエールを送ってる



…はぁ。セーフ



でもあんなあいつ。
久々見たな。




全力でコートを走り回る彼女



…っおっまたボールが


おーっ…またゴール決めてんじゃん。



あいつが頑張ってる姿
久々見たかも






その瞬間

監督さんの笛が鳴り
前半が終了した。




「よぉし。日向。やったろ!」


「おぅ。ファイトやな。」


俺はゼッケンを煌月から
受け取ると

すぐにコートの中に入った。





…よし。あいつみたいに
全力で楽しみますか。


あいつが見てるから…



多分な。





俺の試合は
監督さんの笛で
キックオフした。





〜日向side end〜



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