ひまわりの約束
「ちょっ!赤崎くん!
女の話に首突っ込まないでよ。」
凪紗が少しキレ気味で
赤崎くんに突っ込む。
「そーだよ。
今大事な話してたんだから。」
「ごめんごめん。
教室入ったら日向って
言葉聞こえたからさ。」
「ねぇ、そういや。
日向くんと仲良いやろ?
ならさ。彼女の話聞いてないん?」
「彼女?」
「日向くんに
美人の彼女が居るって噂だよ。」
「はぁ?俺知らねぇけど。
…あぁ。美人の姉貴なら居るけど。」
「お姉さん!?」
…日向ってひとりっ子じゃなかったっけ?
「そうそう。確か7つくらい上。
でも童顔で可愛いし、
既婚者じゃなかったら狙ってたわ。」
既婚者の姉が居るなんて…
知らないよ…
「ふぅん。じゃあ日向くんと一緒にいた人が姉だった可能性が高いわけかぁ。」
するとコーラ片手に
教室の中に入ってきた渦中の人
「おぉ。話題の奴が帰ってきた。」
「んだよ。煌月。話題のって」
あたしはちらっと日向を見たが
目線が合うと
心を見透かされそうで
思わず顔をそらして
クロワッサンをパクっと口に入れた。
「煌月。お前なんか余計な話…」
「ん?何も?
ただみんながお前に
彼女居るって噂してたから
お前に美人の姉貴が居るって
話しただけだよ。
なぁ。葵ちゃん。」
っなんであたしに振るのよ!
「…っ」
そう思いつつあたしは静かに頷いた。
「はぁ?誰だよ彼女居るとか
ガセ流したの。海人か?お前か?」
少しイラついた日向が
にらみながら
湖南くんや赤崎くんを見ている
あたしはちらっとだけ日向を見ると
また視線をそらして
クロワッサンにかぶりついた。
だって見たことないくらいの
にらみつけ方だったから
かなり怒ってるみたい。
ガセ
この話は嘘だと日向がつぶやいただけで
少しホッとしたんだ。