ひまわりの約束





「はぁ。なんで俺らが…」




「まぁ、教室は6階やし呼び込みしないとなかなか来ないやろ?」




エレベーターも混み合ってるし
なかなか上に上がってくるのも大変。




「ランキング優勝して、みんなでバイキング行くんやから!!とりあえず頑張るよっ!」




あたしは赤崎くんの背中を押しながら
階段方向に歩いて行った。




「クレープいかがですかぁー?」



「お一つ100円からですよー!」



「抹茶、チョコバナナ、フルーツ、サラダクレープがございまぁぁあす!」


「本店は6階にございまぁぁあす!!」


声を張り上げながら
階段を下りていく


そのかいもあって
売り子の箱の中身は
少しずつ
売れて行く。



「あっ。葵ちゃん!抹茶1つ!」


家庭科の先生が
階段の踊り場で
足を止めてくれた。




「先生!ありがとう。200円」


「これ美味しいって評判だったんよ。

だから。後で食べるねー!」



そう言ってクレープを受け取った先生は
足早に階段を上って行った。



「抹茶意外と売れてんな。」



「最初5個持ってきたんに、もう1個しかない。」



「チョコバナナとか定番が残ってるよな。」



「サラダも好調やしね!」




頑張っていろんなところに回ると
頑張った分


お金の代わりになる
100円の紙がどんどん袋に溜まっていく。




でもそれがとても嬉しかった。






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