ひまわりの約束


「はい。ありがとうございました!6階に他の味はまだありますので!」






最後のクレープをお母さんとちびっ子に渡す。




「ありがとー。」


そう言って嬉しそうに
笑うちびっ子は
お母さんに連れられて
休憩室に入っていった。






「ふぅ。売り子は完売っ!」





各階をくまなく回っただけで
箱の中身は空っぽになった。




「いぇい!全部売れた!」




あたしは思わず
赤崎くんとハイタッチをした。



よしっ!頑張って回ったかいあった!


声は少しガラガラやけど。





「よっしゃ。あとは上だな。」





「上はどんくらい売れたかな。」




「さぁな。あと30分はあるし、、

とりあえず戻るか。」




あたしと赤崎くんは
そのまま階段を上って6階へ向かう。



すれ違う人に
クレープ美味しかったと言われては
めちゃくちゃ嬉しかった。








その途中
生徒休憩室の4階で日向と海人くんが仲良くご飯を食べてる姿が見えた。
あと1人
誰かいるみたいだけど…




「…っ。」



最初よりは仲良くなりつつあるけど
やっぱり溝は深いし
壁は分厚い


どこかでまた隣で笑ってくれないかなって期待しちゃって…




「なぁ。葵ちゃん。」


「…ん?」



あたしは先に登る赤崎くんの方を向いた。




でも赤崎くんの表情が

悲しそうに映るのは…なぜ?





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