ひまわりの約束


「葵、この後のミスコンもあって、緊張してたみたいよ?ミスコンは3連覇かかってんだから。」


「だからか。あんなぎこちない笑顔は。」


「うん。多分ね。今回は2連覇中で衣装も2着あるから大変みたいだし。」


台本には
ミスコンの優勝者は
最後にウォーキングがあるとか…



「1番がミスコン、ミスターコンで、時間空いて最後に1部のランキングとミスコンとミスターコンの発表だもんな。」



「2人とも、もうすぐ出番だから。」




森ちゃんが舞台袖後ろから小声で伝えてきた。


…いよいよだ。





その瞬間
反対側の舞台袖に
ドレスや浴衣、私服で
色とりどりに着飾った
ミスコンメンバーが並び始めた。






一番奥に
薄ピンクとミルキーブルーの
淡い色合いが目を引く
ミニドレスを着たあいつの姿。




…可愛い。



いつもはただおろしてたり
ポニーテールにしたり

大したヘアアレンジもしないあいつ


でも今日は
頭にティアラが光り


綺麗に巻かれた髪が
華やかさをプラスしている


…あの頃よりも
可愛さを増したな。あいつ



普段見せないあいつの姿に
少しだけドキッとした。




「ほらっ。なに見とれてんのよっ!出番だからか。行くよっ!」


俺はTシャツの裾を強く引っ張られると
深く深呼吸をして
緞帳の前にある進行台に出ていった。






< 80 / 233 >

この作品をシェア

pagetop