ひまわりの約束
「葵、この後のミスコンもあって、緊張してたみたいよ?ミスコンは3連覇かかってんだから。」
「だからか。あんなぎこちない笑顔は。」
「うん。多分ね。今回は2連覇中で衣装も2着あるから大変みたいだし。」
台本には
ミスコンの優勝者は
最後にウォーキングがあるとか…
「1番がミスコン、ミスターコンで、時間空いて最後に1部のランキングとミスコンとミスターコンの発表だもんな。」
「2人とも、もうすぐ出番だから。」
森ちゃんが舞台袖後ろから小声で伝えてきた。
…いよいよだ。
その瞬間
反対側の舞台袖に
ドレスや浴衣、私服で
色とりどりに着飾った
ミスコンメンバーが並び始めた。
一番奥に
薄ピンクとミルキーブルーの
淡い色合いが目を引く
ミニドレスを着たあいつの姿。
…可愛い。
いつもはただおろしてたり
ポニーテールにしたり
大したヘアアレンジもしないあいつ
でも今日は
頭にティアラが光り
綺麗に巻かれた髪が
華やかさをプラスしている
…あの頃よりも
可愛さを増したな。あいつ
普段見せないあいつの姿に
少しだけドキッとした。
「ほらっ。なに見とれてんのよっ!出番だからか。行くよっ!」
俺はTシャツの裾を強く引っ張られると
深く深呼吸をして
緞帳の前にある進行台に出ていった。