ひまわりの約束


「…来夢ね、、この前、進路の話してきて…」


「うん。」


高校のこの時期

最後の夏休み


うちの高校とは違って

もう全日制の子たちは
どこの大学を受験するかとか
決めてる子が大半だ。



「…東京…行くんだって。」


「…えっ…」


「…サッカー。続けたいからって。」


「…」


来夢は市内の高校で
サッカー強豪校の
エースストライカーとして
活躍してる。




今年の全日本での活躍が
期待されてる逸材だとか…



「プロ。なるって?」


「…もちろん。卒業の時にオファーがくれば考えるけど、今は大学でサッカーをしたいからって。。まぁ慣れなくても、教職取って、サッカー部の顧問にでもなれたらって…」


東京には
強豪校もたくさんあるし
それなりに成績を出せば
目をつけてもらえる
可能性はあるかもしれないけど


「…そっか…来夢。プロになるの夢だったしね。」


「…来夢の夢は応援してあげたい。ずっと頑張ってるの。知ってるから…」


「…うん。」


「…でもね。あたしはこっちの大学を受験するつもりなんよ。」


「…離れちゃうのか…」


静かに頷いた美香。


学校が離れた今

多分それだけで不安なんだと思う。


来夢はイケメンと呼ばれる人

ましてや
勉強もサッカーもできる


女子にモテないわけない。


ずっと美香は
不安と戦ってたんだ。

信じていても
不安は襲ってくるから…



でもその割りには
来夢の浮気話は
一度たりとも聞いたことはない。


だからこそ…

心配性の美香は不安だったのかな…
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