ひまわりの約束


「…葵。あたしはただ寂しくなるのが怖いんかな?今以上に会えなくなるのが
想像できんから。」


「…かもしれんね。でもさ。美香はいいほうやろ。…あたしはさ。何も知らされずに、離れて行ったんやけ。」


あの日


日向はあたしに
何も告げることなく
この街を去った。



その後の行き先も知らないし
連絡先も知らない



悲しみが癒えることなく
小学校を卒業して



日向を忘れようと
次に進む決意も
モヤモヤうまく行かずに
中学3年間も過ぎ


心機一転
高校生デビューを図るために
九州の大都会の高校生になった。




そして

新しい仲間に囲まれて
幸せな高校生活を送っていた時
君を思い出にやっとできたって時に


君は


日向は姿を表したんだ。


「…そうかもしれんね。あたしが考えすぎて不安なだけかも…」




「…美香が心配してると

来夢も胸はって東京行けんやろ?


…ってまだはっきりは
決まってなかろうけど。」



「…そうやね。

…まだあと半年はあるから…」




「やっぱ美香の笑顔が一番やねっ!」




「…ありがと。葵」


美香は
涙を手でふくと
あたしに笑顔を見せてくれた。



…ふぅ。

ホッとしたよ。


美香があんな涙ぐむなんて
なかなか見ないから



美香が抱えてるもの
少しだけ知れてよかった…





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