ひまわりの約束
「…葵が中学で大変だったように、日向も何かあったのかもしれんね。ってもう憶測にしかならんけどさ。」
「うん。はぁぁ。あたしはどうしたら…」
「赤崎君て人はさどんな感じなん?」
「…赤崎くんはね、本当に優しい。」
あたしが頼む前に
手伝ってくれるし
気遣ってくれる
真面目だし
勉強も理系なら得意だし
何よりあの笑顔には癒されてる
日向に突き放されても
赤崎くんの笑顔が癒しになってたのは事実。
「…葵が決めることやけんね。口出し出来んけどさ。」
「…うん。」
「日向が、振り向く気がなさそうなら、赤崎くん?の告白OKしてみてもいいんやない?」
「…えっ?」
「だってさぁ。追いかけても振り向かんなら意味ないし…。葵は可愛いんやけ、ウジウジしてたら時間勿体無いって。」
「…まぁ。あの頃とは違う。
どれだけ目の前に居ても
あの頃には戻れない…んだよね。」
あたしはふと
写真に笑顔で映る日向を見つめた。
…あの頃には戻れない
…あの頃とは
お互いに成長してるし
変わってるんだから…
「…あたしの悩みよりも、葵の方が深刻かもね。」
「でも、少しだけスッキリしたよ?ありがとね。美香。」
「ううん。こちらこそっ!んじゃあ。プリ撮りいこーよ!久々に!」
「いいねぇ。美香とは久々やし!いこいこっ!」
あたしと美香は
部屋を出ると
バタバタと駅に向かった。
…美香。
ありがとね
少しだけ気持ちに
区切りがつけられそうだよ?
…日向?
日向は今
どんな気持ちで
この夏の青空を見てるかな?
あたしのことを思ってくれたら
嬉しいけど
わからないから…
もう前向いて進むよ?
それが一番だよね?
…日向。