ひまわりの約束


「別に。幼なじみのお見舞いはせんとな?」


「ありがとな。」


「おう。…ってかさ。どうなんだよ。あれから。」


「あれからってなんだよ。」


「あーちゃんだよ。」


…葵のことか


「いや。なんも。」


「はぁ?んだよ。なんも進展してねぇのかよ。」


「いや。お前何期待してんだ。」


「同じクラスなんやろ?なら少なからず関わりはあるやろうし。あの頃みたいに仲良くなれたかなって思ってな。」


「…葵。変わってた。」


「えっ?」


「…俺たちはもう。あの頃には…戻れねぇんだよ。」


「…日向。」


「…」


「…あーちゃんのこと。嫌いか?」


「…いや。」


嫌いじゃない。

葵は
頑張り屋だし
勉強もそれなりにできる
真面目だ。


昔は俺ら以外には
おとなしい方だったし
勉強も苦手みたいだったし…


あの頃よりも成長したんだと思う。


まぁ見た目はギャルみたいだけど




でも好きかと言われると…


「…ふぅん。でもさ。少しだけ変わったよな。」


「えっ?変わったか?」


「あぁ。
こっち引っ越してきた
ばっかりの時会ったらさ。

あーちゃんのこと。
”あいつ”呼ばわりだったけど。
今は”葵”って呼び捨てだからな。」


「…!!?」


「なぁ。日向。お前本当は、あの頃の関係に戻りたいんじゃねぇの?」



…戻りてぇよ。

戻れるもんなら


文化祭


葵の嬉し涙を
近くで見守るのは
俺じゃなくて煌月。

それに嫉妬した。


そばで見守ってやりたいって
思った。


でも………




これ以上近づいたら
もっと大切なものに
なってしまう。


今でも
ギリギリなんに…



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