Je te aime ~愛しき人よ永遠に~
翌日、目が覚めて何時もの日常を送り、バイトの時間になった。
今ちゃんと離れたところで仕事をしていた私は今ちゃんの笑い声で今ちゃんに視線を送ると、そこに立っていた男の子を見た。
スラッと背が高く色の白いほっそりした男の子。
私は初めて見たのに何故か懐かしさが込み上げてきた。
『すみません…。』お客の声で我に返り慌てて仕事に戻ったが、心はその男の子の事を思っていた。
閉店作業をしているとき、今ちゃんが私の所に来て、言った。
『アイツ、外で待ってるから、紹介するから、通用口で待っててよ。』
私はキョトンとして今ちゃんに言った。
『みんなには?』
今ちゃんは少し声を小さくして答えた。
『先にお前に紹介したいんだ。アイツ、人見知りするんだよ。そうは見えないけどな。お前と似てるって言っただろ?お前も見かけによらず人見知りだからなぁ。』
私は妙に納得して、頷いた。
『私は別に構わないけど、みんなは大丈夫なの?なんなら他の所に行く?その方が良いんじゃない?』
今ちゃんは少しホッとした表情になり言った。
『そう言ってくれると正直ありがたい。
んじゃ、何時ものファミレスで待ってっから、来て。』
私は了解と答えて閉店作業を続けた。
閉店挨拶の時店長が言った。
『明日から、新人さんが入ります。みんな宜しく。』
元木さんが言った。
『女の子?野郎どっち?』
店長がニヤリと笑って答えた。
『残念でした。野郎だよ~。』
皆が笑って閉店挨拶は終わった。
今ちゃんが元木さん達と話ながら前を歩いて会話が私の耳にも入った。
『今日はちょっと俺と文は用事があるから行けないから…。』
元木さんは笑ながら答えていた。
『本当お前らって兄妹みたいだよな。別にこっちは大丈夫だよ。気い使うなよ。』
更衣室で着替えながら、男の子の姿を思い出していた。
今まで感じたことがない感情。
名前も知らないし、チラッとしか見てないのに、頭から離れない…。
大丈夫かな…。私。
私が通用口に出たときには皆はもう居なかった…。
私はファミレスに向かって歩き出した。