Je te aime ~愛しき人よ永遠に~
ファミレスに着いて店内を見渡すと、喫煙席の窓際に座っていた今ちゃんが私に気付いて軽く手を上げた。
私はゆっくり席に向かった
隣に居た男の子に視線が釘付けになった。
やっぱり初めてなのに懐かしい感じがする。
テーブルに行くと、今ちゃんが私に座る様に促して私は2人の向かいの席に着いた。
今ちゃんが私に行った。
『コイツ俺のダチの彩貴 文秋(あやたか ふみあき)』そして今度は私を指差し隣の文秋に向かって私を紹介した。
『コイツは俺の妹みたいなヤツで名前は伊崎 文華(いざき あやか)皆からはあやって言われてんだ。』
今ちゃんは男の子のことをふみと呼んでいた。
『ふみとあやって同じ漢字じゃん。』
すると文は口を開いた。
『宜しくね。あやちゃん。』
その声は私の心に染み入っていった。優しく違和感無く。
私は慌てて答えた。
『はじめまして。宜しくお願いします。』
今ちゃんはウエイトレスを呼んで飲み物を注文して文に言った。
『どうよ。いい子だろ?』
私は顔を赤くして今ちゃんに言った。
『ちょっ····止めてよ。』
すると文は私の顔を静かに見つめながら答えた。
『うん。いい子そうだね。』
その視線が優しい感じがした。
笑った顔はとても静かだけど、印象的だった。
今ちゃんが注文した飲み物がテーブルに運ばれると、今ちゃんがおんどをとった。
『ダブル文に乾杯!』
私と文は笑ってそれに乗っかった。
『乾杯!』
3人は時間を忘れて話し込んでいた。
それから2人がバイクを停めている所まで歩き、文のバイクを見た。
中型のSUZUKIのバイクだ。
私は『ふぁー!良いなぁ!』と思わず言うと、文がサラリと言った。
『乗る?』
私は何の迷いもなくクビを縦に振った。
実は私はバイクの後ろに乗るのは初めてだった。
私の中で決め事があった。
人のバイクの後ろに乗るのは、命を預けてもいい人以外には乗らない。と·····。
文はバイクにまたがりエンジンをかけた。
バイクは素直にエンジンの音を出して走り出すのを待っているみたいだった。
『乗って。』文は私に声をかけた。
私はドキドキするのを抑えて、後ろに乗った。
『腰に掴まって。』文は私の手を自分の腰に引き寄せた。
体が密着すると文からとても良い香りが私の鼻をくすぐった。
何処か懐かしく、私の警戒心を解きほぐす香り。
『行くよ。』文は私に言って、バイクが走り出した。
フォーン!バイクのエンジンは勢いよく唸り走り出した。
私は文の腰を少し強く抱いた。