Je te aime ～愛しき人よ永遠に～

ある日のバイトの日。私と文の２人で同じ売り場で仕事をしていると、突然カウンターの向こう側から『文！』と声がした。


私は振り返ると、文がカウンター向こうの声の方に歩み寄って何かを話始めた。
私は声の主を見つめた。


線の細いスレンダーで髪の長い女の子が立っていた。
そして、少し離れた所に男の子がその女の子を見ていると言う風景が映った。


文は少しだけ話すと、その場を離れ仕事に戻り、女の子は連れの男の子と消えた。
私は心の中に何とも言えない不安感が広がる嫌な気持ちがした。



店が終わりゴミ捨てに行く私に文がゴミを１つ持って一緒に行く事になった。
ゴミ捨てを終えて帰る時、不意に文が私に話始めた。
『今日、彼女が来てさ、ヨリを戻そうって言われたんだけど、文はどう思う？』



私はじっと文の目を見つめた。
本当は文は止めて欲しいと分かった。そして、私は初めて自分の気持ちに気付いた。
（私は文が好きなんだ。）
でも、答えを出すのは私じゃない。文が自分で決めなきゃいけない事なんだ。