Je te aime ~愛しき人よ永遠に~
私は視線を河に向けナーちゃんを見ずに言った。

『それで、どうすんの?文とは別れるの?アテイ君とは?』


ナーちゃんも河を眺めながら私の問に答えた。

『別に、アテイ君とはただしただけ。
それに文とは別れないよ。
だって、アテイ君彼女居るし、付き合うとか考えてない。だから、アンタだけに話した。アタシはこう言う事平気でする奴だって事、アンタに教えておこうと思ってさ。』


ナーちゃんはわたしを試していると直ぐに理解した。
そして、ナーちゃんに女友達がいない事も。

私は静かにそして自分でも噛み締める様に言った。


『分かった。私はナーちゃんから離れるつもりは無い。でも、今度やったら絶対許さない。アテイ君や文は私にとってナーちゃんと同じ位大切な仲間だから、許さない。』


ナーちゃんは黙っていた。
頬から涙が伝っていた、私は知らない振りをした。


私はゆっくりと河に背を向けナーちゃんに声をかけた。

『冷えて来た。帰ろう。』


ナーちゃんは『うん。』と返事をして私の後に付いて来た。


私は出来るだけの時間をナーちゃんと過ごそうと決心していた。
独りぼっちがどれ程辛いか、私は知っている。そして、これ以上こんな事させる訳にはいかない。
させたくない。ナーちゃんだって私には仲間だから。
そして、文の彼女は私にとっても特別な存在だから。


アテイ君の家に入る頃にはいつも通りに戻っていた。



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