Je te aime ~愛しき人よ永遠に~

私は自分が【異質】と自覚している。
幼い頃から【普通の人】と違っていた。
クラスでも必ず私は浮いていた。
イジメとかそう言う事では無いのだが、人が好んで寄って来てくれるタイプではなかった。


次第に自分から寄せ付けなくなっていった。
友人と呼べる人間は居なかった。
しかし、
年上には何故か可愛がられていた。
中学の時は雑誌のページにデカデカと自分が写ったが、何とも思わなかったし、話す相手も居なかった。


高校に入っても、浮いては居たが、話す相手はポツリポツリいた。
その一人に面と向かって言われた。

『文華は人とは違う。何処って言われると困るんだけど。何にも染まらないし、雰囲気が違う。』


私はそう言った相手をぼんやりと見つめていた。
【知ってるよ。自分でも……。】そう思いながら。


家族とも合わなかった。
唯一まともに話せたのは父だけだった。
父とは沢山話をした。私の問い掛けにも父は静かに最後まで黙って聞いてから、返答をしてくれた。
その返答も、いい加減なものではなく、真剣に話してくれた。


私は父をとても尊敬していた。



でも、私は心の何処かで渇望していた。
この世で私を理解してくれる人を求めていた。







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