Je te aime ~愛しき人よ永遠に~
Kissと誓い
私は暫く1人で行き付けのビリヤード場に通った。
あの賭け以来マスターは私には変な誘いをしなくなって、ごく普通に接してくれたのは嬉しかった。
時には8時間位打ち続ける日もあった。
ナーちゃんから連絡は無い。
文に電話しようかと思ったが指が止まる。
怖かったのだ。
文が傷ついているのではないかと思うと、怖くてかけられなかった。
それ位、私は文が傷付くことを恐れていた。
文はそんな感情は滅多に表さないだろう。
でも、私には何故か分かる。
とても傷つきやすい人だから。
数字の並ぶボタンを眺めていたら、覚えてしまった番号は今でもハッキリと私の記憶に刻まれている。
そんな日々が続いたある日。
久しぶりにアテイ君の家に今ちゃん文、私で集まった。
久しぶりでみんなメイメイ話して笑っていた。
あの日の事はナーちゃんからまだ聞いていないけれど、文と一緒だったからきっと大丈夫だったんだろうと、私は勝手に安心した。
話し込んで眠くなりみんなで眠り込んだ時、
私はテーブルの下の雑誌を取ろうとテーブル下に潜り込んだ時向かいから文がテーブルの下に潜り込んで来て、私にキスをした。
ナーちゃんは寝ていた。
私達は暫くの間、狭いテーブルの下で離れられずに居た。
とても、優しい、優しい、触れる様なキスだった。