君がくれた約束
「じゃあ出ようか?」
「うん」
私はシュウに貰った右手の薬指にはめた指輪を見ながら、
会計の方に向かった。
会計…。
そうだ、会計の事忘れてた……。
クラシックの生演奏と、花束と指輪とケーキの追加で一体いくらになるの?!
会計の前に行くと、ウェイターがシュウに言った。
「社長がたまには顔に出すようにと…」
「うん…。白石さん、今日はありがとう」
「いえ。次回からはもっと早目に言って頂ければ…」
「うん。じゃあ、又いつか」
私はウェイターにペコッと礼をすると、歩き出したシュウの後を急いで追いかける。