君がくれた約束

そんな時だった。



「今度の日曜日、空いてるかな?」


「空いてますよ」



早川さんに対する敬語は抜けない。



「日曜日、うちの両親が遊びに来るんだけど、一緒に食事でもどう?」


「えっ?」


「最近、結婚結婚って煩くて…。紹介しておきたいんだ。倫子の事」


「うん。日曜日、空けておきます…」


「あっ、倫子がまだ会いたくないならいいんだよ?」


「そんな事ないです!早川さんは私には勿体ないくらい、素敵だから」



そう言って私は笑った。


夢にまで見た幸せな結婚が少しずつ近付いて来る。


これでいいんだ。


あんなに望んでいた結婚だもん…。


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