君がくれた約束

―翌日


私は用意をすると、両親を東京駅まで迎えに行った。



「何回もごめんね」


「いーのよ、おめでたい事なんだから。ね、お父さん」



家ではいつもジャージ姿の父親は、きちんと正装していて、不機嫌そうな顔でそっぽを向いた。



「お父さん、ありがとう」



「……。なんとかホテルは遠いのか?」


「…?」


「今日行くなんとかホテル」


「ううん、早川さんが疲れるだろうからって言ってくれて、すぐ近くなの」


「待たせたら失礼だ。早く行くぞ」



ぶっきらぼうに言う父親に、私と母親は顔を見合せて笑った。


< 232 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop