君がくれた約束
―翌日
私は用意をすると、両親を東京駅まで迎えに行った。
「何回もごめんね」
「いーのよ、おめでたい事なんだから。ね、お父さん」
家ではいつもジャージ姿の父親は、きちんと正装していて、不機嫌そうな顔でそっぽを向いた。
「お父さん、ありがとう」
「……。なんとかホテルは遠いのか?」
「…?」
「今日行くなんとかホテル」
「ううん、早川さんが疲れるだろうからって言ってくれて、すぐ近くなの」
「待たせたら失礼だ。早く行くぞ」
ぶっきらぼうに言う父親に、私と母親は顔を見合せて笑った。