君がくれた約束

少しするとローカを歩く音が響き、
その音は待ち合い室の方に向かって来るのが分かった。


医者が来て、私の顔を確認すると笑顔で言った。



「大丈夫です。山は越えました。後は目を覚ますのを待つだけです」



私はホッとして身体の力が抜けた。



「ありがとうございます」


「病室も早めに一般病棟に移せると思いますが、目を覚ますにはまだ少し時間がかかると思うので、今日は帰ってゆっくり休んでもいいですよ」


「はい」



私は一度ICUに入って、
シュウの顔を見ると又少し安心した。



「シュウ、早く起きなさいよ?」



そう小さな声で呟くと、
一度病院を後にする事にした。


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