君がくれた約束

シュウは眠そうな目を擦りながら、少し笑うと言った。



「遅かったんだね。残業?」


「ん?うんっ。シュウこそどうしたの?」



三上さんと一緒に居た事が、
まるで悪い事をしてしまった気がして、アルコールの臭いの事なんて忘れて、思わず嘘を付いた。



「昨日の事がちょっと気になってたし、少し時間が出来たから」


「そっか…。上がるでしょ?」


「うん」



部屋に入るとシュウが言った。



「思ったより元気そうで良かった」


「…そう?」


「うん。いつもそんな感じだったらいいのに」



シュウはそう言って笑ったけど、私は笑えなかった。

< 338 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop