君がくれた約束
私の目が覚めた翌日、
父親は田舎に帰り、母親だけが残った。
私は化膿止めだとか言われて、何種類か薬を飲まされている。
「倫子、三上さんがいらしたわよ」
目を開けると、三上さんの顔があった。
「神田さん、ケーキ食べる?」
私は首を横に振った。
何も食べたくない。
食べたら吐きそうなんだ。
そんな言葉を発するのも面倒だった。
栄養は点滴がちゃんと与えてくれる。
「倫子…せっかくだからいただいたら?」
「……」
「僕は大丈夫です。神田さん、又明日来るから」