君がくれた約束
「はい」
三上さんは車を走らせ、私の田舎の滋賀へと向かう。
少し東京から離れて、
ビルがどんどん小さくなって、
山のすぐ側を走る。
私が毎日過ごしていた、
東京の人混みや、街並みが夢だったような気さえして来た。
母親と三上さんは楽しそうに話して、
私はただ外を眺める。
ふと左手首を見ると、
生々しい傷跡が残っていた。
高速を3、4時間走り、インターを降りると、
懐かしい町並みが目の前に広がる。
「へぇーいい所ですね」
「あらそう?時々遊びにいらしてね」
「是非!」
「あ、ここなの。三上さんも疲れたでしょうから、上がって少し休んで行って?」