君がくれた約束
「あっ、すみません。お邪魔させて頂きます。神田さん、車酔いとかしなかった?」
「はい」
母親はそんな私と三上さんを見て、先に家の中に入って行った。
「少し、外の空気でも吸わない?」
私は頷いて車から降りると、三上さんの車にもたれて、空を眺めた。
すると、
三上さんは私の左手首の傷に口を付け、凄く悲しそうな顔をすると、
私を思い切り抱き締めて言った。
「俺と付き合わないか?」
「……」
「前の彼氏の事をまだ好きならそれでもいい。神田さんの全部を俺が受け止めるからっ…」