君がくれた約束
「大丈夫。ドアが開くまで、こうしていればいいから」
男はそう言って私の隣に立って、鞄を私に渡して来た。
「…?」
「僕が右側、君は僕の鞄と、君のバッグで前と左側を隠せばいいから」
「すみません…」
よく見ると、なかなかいい男…。
優しいし。
結局ドアは私が降りる駅まで開かなくて、
その間の4駅、私は緊張しっぱなしだった。
「ありがとうございました」
「どういたしまして。じゃあ気を付けてね!」
男はそう言うと反対側のホームに並んだ。
もしかして…
この駅より手前で降りる予定だった?